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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/04/02 

Vol.1  「病院における事務職のあり方」

執筆 足助病院職員

企画課 日比敦郎(事務総合職)

 病院という組織には、様々な国家資格を持った専門職のスタッフが在籍しています。国家資格には、様々な独占業務が存在します。医師・看護師・薬剤師等の「業務独占」や保健師・栄養士・理学療法士等の「名称独占」に分かれますが、いずれの職種もそれぞれの立場から患者さんに対してなんらかの「医療行為」あるいは「介護サービス」を施しています。
 その中で、医療に関する資格を持ち合わせていない職種が私たち「事務職」です。JA愛知厚生連全体を見渡すと、事務職にも社会保険労務士や行政書士、電気工事士や一級建築士などの国家資格を持った職員も在籍しています(いました)が、ごくわずかです。筆者も、診療情報管理士やホスピタルエンジニア等の認定資格を持っていますが、何らかの業務独占が存在するわけではありません。
 では、病院における事務職の求められるものは何か?はっきり言って、他の専門職と比較してこれというものはありません。業務独占がないわけですから当然です。だからと言って、日々発生する書類の処理や患者さん対応をこなすだけが事務か?と言われれば、そうではないと私は考えます。いずれ事務処理は自動化されるでしょうし、下手すれば、患者応対業務だってどこかの回転寿司チェーン店のように、ロボットが行うようになるかもしれません。
 実は、この事務職に求められる「ファジーな部分」がポイントであると考えます。
「医師は患者を治し、看護師は患者を癒す。コ・メディカルが治療を支援するのであれば、事務はそのすべての医療行為に集中できるよう支援する」
 これは、筆者が医療業界に就職して4・5年経ったぐらいに思い始めたフレーズで、座右の銘というと大げさですが、厚生連本部に在籍した時も大切にしていたものです。事務職は、治療できません。それは専門職に譲らないといけませんが、その専門職のスタッフが治療に集中できる環境を整えることが、事務職の本分であると考えます。事務の仕事は専門職でもできます。しかし、それを専門職に任せたら病院はどうなってしまうでしょうか?
 つまり事務職は、「何をやってもいいし、何でもやらないといけない」のだと思います。「スペシャリスト」である専門職の業務を支援する・・・そこに羅針盤などありませんが、このファジーな部分こそが事務職を「ジェネラリスト」へと育てる根幹であると信じて、今日も精進を続けて参りたいと考えます。
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