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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/12/11 

Vol.445 「温活 ~衣服気候編~」

執筆 院長 小林真哉

今コラムは衣食住の衣ですが、少々聞きなれない衣服気候に触れます。
ネットなどで検索してみますと、日本人の平均体温は36.89度で、免疫細胞が正常に機能する体温は36.5 度とされ、体温が 1 度上がると免疫力は最大で5~6倍も上がるともいわれています。逆に体温が1度下がると免疫力が30%以上も下がるというデータもあります。
更に日内での寒暖差は血圧を筆頭に交感神経・副交感神経の過剰な調整を強いますので体に負担をかけます。
季節間の極端な気温変化も人体の恒常性維持に負の側面が高いと思われるので、体を温め平熱維持は大切なことです。

日常的に体調が悪い人に『今日は温かくしてゆっくり休んでください』と
言うのは理にかなっているわけです。自宅等の建屋にいる場合は暖房機器等の力を借りて温度のコントロールができます。
それが十分にできない時に重要なのが衣服ですね。機能性・ファッション性も衣類は大切で単に厚手のものを重ねればいいというものでもありません。
皆さんがいつも創意工夫しているように如何にいい空気の層を身に纏うかが大切なのです。
そしてその空気の層を衣服と気象(田村照子著)という本の中で衣服気候と呼んでいるようです。ネット検索での本の説明が素敵でした。
【衣服と気候 (気象ブックス039) 「持ち運べる小さな環境-衣服」にまつわる科学と文化のはなし。ヒトはなぜ服を着るのか?永年にわたり、衣服を科学してきた著者が、カラダと着衣、そして気候の関係を徹底追及。
序章 衣服は持ち運びできる微小環境

皆さん!このネタ、an.anにはピッタリでしょ!
今回の号全体の流れにも沿うと編集者の方も喜んでくれました。

ちなみに衣服気候とは気候や環境の温度・湿度に合わせて、適当な衣服を着用することで、重ね着した衣服の間に新たな気候が作られることをいい、体外の気候とは異なり、暑さや寒さを緩和し、適温を保つようことが大切です。
快適な衣服気候とは、気温32±1度、湿度50±10%といわれています。

私の外来には、あるだけ着込んでいらっしゃる寒がりのお兄様もみえますが、こちらも今はやりの“異常気候”とならなければ良いのですが、素敵に衣服気候をコーディネートされた付き添いのお姉さまのアドバイスをお聞きにならない? 聞こえない? ところが難しく永遠のテーマです。

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