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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/12/27 

Vol.260  「キョウイクとキョウヨウ」

執筆 院長 小林真哉

エジプトのスフィンクスは「王家のシンボル」「守護者」等の神聖な存在とされている、顔は人間の女性、胴体はライオンの姿の生物です。
ギリシャ神話のオイディプス王の物語では「民を困らせ、人を食らう怪物」として登場します。同じ姿形でもエジプトでは善、ギリシャでは悪の象徴として扱われていて、人の中にある善悪の二面性を象徴するとの見解もあります。

そのスフィンクスのなぞなぞについて、知っている方は多くみえると思います。対峙したオイディプス王に対してスフィンクスが投げかけた
『朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、これ、なんだ?』です。答えは人間。
両手と両足を使ってハイハイで歩くため4本足の赤ん坊。手をつかずに歩く成人。杖が必要になった老人。人間の一生を一日に例えています。

さて、本日の表題の〝キョウイクとキョウヨウ〟です。医療・福祉・介護の医療サービスを提供する足助病院にとって、地域住民の皆様の健康寿命延伸への貢献は大切なミッション(使命)の一つです。そのためには、年を重ね、一線から退いた後も社会と繋がる心地よい居場所が必要です。
そこで、・キョウイク⇒教育⇒今日行 ・キョウヨウ⇒教養⇒今日用 です。
(僕の記憶では2013年の朝日新聞の天声人語でとりあげられていました)
日常的に用事があって出かけていくのが大切だということですね。ウイズコロナの時代、なかなか出かけていけないのが実情ですが、この時期はキョウヨウ⇒教養を蓄積して次につなげていきたいと思います。

 スフィンクスのなぞなぞは人間の一生を一日に例えていましたが、
〝キョウイクとキョウヨウ〟も捉え方によっては、
幼少・青年期に〝キョウイク(教育)〟を受け、
壮年期に〝キョウヨウ(教養)〟を蓄え、
老年期に〝キョウイク(今日行)とキョウヨウ(今日用)〟を糧に過ごして行くという解釈はいかがですか。

 本日のコラムが2021年は最後になります。今年も、皆様方には大変お世話になりました。今後共、地域ニーズにマッチした医療サービス提供に邁進し、足助病院にキョウヨウ(今日用)があるように精進いたします。
今後共よろしくお願いいたします。

 皆様、良いお年を!    2021.12.27 月 足助病院長 小林真哉
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