〝コラムVol.276:働くと仕事〟で仕事の中に取り入れたい概念・想いに触れました。
更に勉強していく過程で組織の雇用の形態には大きく2つあることを学びました。
日本の雇用は、職務が後付けで付与される契約が多いのです、例えば、営業一般・事務一般という形で雇用され、その後に詳細な業務内容が与えられます。外回りの営業希望であっても、内勤中心となることもあります。雇用の観点からは他の職務への異動可能性ある分だけ解雇は正当となりにいので、日本特有の長期雇用慣行の源となりました。この契約形態が“メンバーシップ型”と言われるものです。
我々医療従事者は他職種から見れば医師・看護師・技師等、仕事内容がはっきりしていると思われがちですが、それぞれの領域で細分化されていて多岐にわたります。当院のような規模の病院では“メンバーシップ型”の契約を理解しての臨機応変な働き方が求められます。
一方、対照的なのは職務が規定されている“ジョブ型”で、諸外国の多くの雇用形態はこちらになります。契約上、組織は労働者に記載された職務以外を命じることができないので契約以外の仕事はやらなくてもいいですが、仕事がなくなれば解雇されます。この辺りが、日本社会と諸外国との大きな違いなのですが、グローバル化の流れの中で外資が経営に参入し、日本の雇用形態も変革を迫られてきています。
コロナ禍で人と人の繋がりが疎になる中、あまりに職業人(プロ)に徹して仕事をすることは医療人にとっての『想い』の欠落に繋がらないかを常に留意していかなくてはなりません。そうです、日本にはいい言葉がありますよね。
“郷に入っては郷に従え” “臨機応変” “適材適所” “分相応”・・・・・・・・
しかし、今日の院長コラムは「“メンバーシップ型”やら“ジョブ型”とかわかりにくくて、小難しいわ!」 とお叱りを受けそうなので少々かみ砕いてみます。
消化器内科医の私自身に例えてみると、もし“ジョブ型”雇用されているとしたら、細規定があって消化器外来・消化器検査・消化器入院等になり疾患でくくられるのでしょう。とても、足助病院ではやっていけませんね。健診業務は?ワクチン業務は?施設診察業務は?よろず外来は?研修医教育は?・・・・・数え上げたらきりがありません。院長としてはむしろ、“メンバーシップ型”の雇用形態をとり、医師としてできることを全てやってもらいたいわけです。
〝コラムVol.276:働くと仕事〟と併読すると、“メンバーシップ型”が『働く』で“ジョブ型”が正に『仕事』の概念に近いような気がします。 如何でしょうか?
最後になりますが、タイトルの回答はそう “メンバーシップ型”なのです!